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研究内容

集合知AI

人工知能で金融市場を予測できるか?

結論から述べると「Yes」です.しかし毎回お化けのように当たるとかはあり得ません.そもそも人工知能に100%を求めていけません.市場予測以外の分野でも同様です.

大数の法則によって真の確率へ安定していくように,ある程度たくさんのトライをしてみて勝率50% (ベースライン) からプラスアルファだけ向上できます. このプラスアルファの量は,過去の実績データに内在する法則性の程度に依存します.

当然ながら「AIで予測できるか? = データに法則性はあるか?」と言えます.

金融市場の構造は時折変化しますし,常に法則的とも限りません. しかし稀に法則的になる場合があり (過剰反応による価格の修正など),それをAI (機械学習) で検出することは可能です (ある程度人間でも検出可能です). 逆に法則性がなく予測力が無い場合でも勝率は50%のままですので,とりわけ問題ではありません (手数料は問題ですが,信用取引なら手数料無料の会社もある).

以上の観点から,トータルの勝率が50%を超える検証事実をもって「予測できる」と言えます. そして本ページに示す集合知AIは,このプラスアルファを統計学的に拡大する技術です [参考Web].

しかし市場の構造変化についてはフレーム問題に相当するため,AIのみでは対応できません (AIはなぞなぞが解けません). 学習データに存在しないフレーム外の対応については「人間のサポート」が必要です.



集合知 (集団学習)

「3人寄れば文殊の知恵」のように,多数の意見を集約すると知能が向上します.これを「集合知」と呼び,統計学的に証明可能です. この仕組みをAIに応用する技術を「集団学習」と呼び,AIの予測力を強化できます.








集合知AI

複数のAIから得られた集合知において,平均値だけでなく標準偏差 (ばらつき) にも着目します. 上記のように金融市場が法則的になることは稀ですが,そのような場合はAIらの予測値はそれぞれ類似するはずです (コンセンサスが高まり,ばらつきは縮小する).

このような観点から,集団学習の標準偏差に基づいて「コンセンサスレシオ」を計算し,コンセンサスが高く自信のある投資銘柄および投資タイミングを自動検出します. (※) 特許出願中 (特願2017-104050) [参考]


【参考文献】 Tomoya Suzuki:``Consensus Ratio and Two-steps Selection to Detect Profitable Stocks: Modern Technical Analysis Using Machine Learning Approach,'' International Federation of Technical Analysts (IFTA) Journal, pp.4-14, 2017.