卒論・修論の作成方法
見栄えの良い卒論を作成するためにも,ページ数を多くしたいと考えるのは人情でしょう.
(私としては,内容が良ければ,ページ数は無理に多くする必要は無いと思っていますけどね...)
しかし,卒論の構成は以下の方針で書いてみましょう.必然的にページ数は多くなるはずです.
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[章立て]
卒論・修論の章立ては少し独特です.必ずしもという訳ではありませんが,以下が標準的スタイルです.
・表紙 (先輩の卒論を参考に)
・目次
・論文概要
・第1章 序論 (背景,目的,構成)
・第2~n章 研究に必要な予備知識
・第n+1章 独自の研究内容
・第n+2章 シミュレーション (手順,結果,考察)
・第n+3章 結論・まとめ (成果,今度の課題)
・謝辞
・参考文献
章の名前は臨機応変に変えて下さい.
カッコの中は節を意味しますが,各自の研究内容に応じて省略することもできます.
枚数として,30枚以上が安心できるボーダーラインのようです.
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[卒論の参考例]
過去の卒論の中から,参考になりそうなものを数点挙げておきます.
・
説明や結果にたくさん図を用いている例1
・
説明や結果にたくさん図を用いている例2
・
枚数自体は多くないが良く纏まっている例1
・
枚数自体は多くないが良く纏まっている例2
・
枚数自体は多くないが良く纏まっている例3
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[卒論&修論の執筆は意外に簡単!]
卒論を執筆する頃には既に中間発表や卒論発表会のレジュメ(それぞれA4両面1枚)を提出しているハズです.
レジュメには私の修正が入りますので,それなりに良質な科学技術文章になっています.
さらに一般的な傾向として,
中間発表のレジュメでは 研究に関する基礎知識,
最終発表のレジュメでは 研究結果や研究の独自性 に比重をおいた内容になります.
つまりこれらを統合することで,簡単に卒論になります.
[中間発表のレジュメ]+[最終発表のレジュメ] = 卒論
と考えて頂いて構いません.
さらに, プレゼンで使用した説明図を加えることで,本文の説明を分かり易く加筆することも重要です.
なお修論では,学会発表で投稿した(質の高い)原稿がたまるハズですから,それらを統合する事で簡単に修論になります.
(実は,博士論文も同じように簡単に書けます.これは何の魔法でも無く 要するに日々の積み重ねが重要 ということです)
しかし例外として,序論,結論,参考文献はレジュメ以上に充実させる必要があります.
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[序論,結論,参考文献]
レジュメの場合,ページ数の制限からこれらの項目は簡略化されています.
しかし卒論・修論ではページ数の制限はありませんので,「長く, たくさん, 詳しく」執筆する必要があります.
これらの項目が「どれだけ自分で考えて研究して来たかを顕著に表す」からです.
参考文献が少ないのは,勉強不足を露呈します.卒論で10編,修論で30編以上は引用してください.
その他,以下の様なコツが考えられます.
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[ページ数を増やすコツ]
・実験で得られた結果は網羅的に掲載する.
・実験に用いたデータについても波形などを掲載し,詳しく紹介する.
・章や節など区切りが良い所で,改ページを行う.(TeXでは"newpage"コマンドを使います)
・文字は大きく(12pt程度),行間も見易いように広げる.
・関連知識の説明に,積極的に図を利用する.
・とにかく読者にとって有益だと思う情報はどんどん掲載する.
・図でページ数を稼ぐのが最も楽で,見栄えも良いです.
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[補足]
研究室にある良書 「これからレポート・卒論を書く若者のために」酒井聡樹 書
もじっくり読んでみてください.
鈴木の修正を受ける時は「レイアウト版」と「行間を空けたもの」の2種類を持って来て下さい(レジュメの時と同じです).
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