研究内容

ミクロな相互作用によってマクロ現象が創発される系(=複雑系)に興味を持っています.

★ データからルールを発見する「時系列解析」
★ データから未来を予測する「時系列予測」
★ データを音楽や画像に変換し, 人間の高度な感性で分析する「時系列アート」
★ 株式/FXの投資戦略を最適化する「機械学習 + 金融工学」
★ テクニカル分析をアカデミック化する「機械学習 + テクニカル分析」
★ 自分で考案した取引戦術を実装する「自動取引マシンの開発」
★ 人間同士の交渉をシミュレート, 社会現象を分析する「人工社会」
★ 膨大に計算時間が必要な問題を素早く解く「最適化問題」
★ 多変量データ間のつながりを分析する「複雑ネットワーク科学」
など.



テクニカル分析の可視化

テクニカル分析とは,FX投資などで紹介される「あの手法」です.目的は主に2つあるのですが,みなさん「相場予測」に偏りすぎてはいませんか?

もう一つの目的は「現状の把握」です.時系列チャートを眺めても動きは複雑ですから,視点を特化して情報を簡略化する必要があります. この視点の違いに応じて様々な計算方法(=テクニカル指標)が考案されています.

相場予測に偏向しすぎると賛否両論の対立になりがちですが, 現状把握ツールまたは情報圧縮ツールとして考えれば, テクニカル分析の有用性はもっと理解されるばずです.


テクニカル指標のRCI(Rank Correlation Index)を用いて,金融市場全体を可視化した様子を図1に示します.

図1: RCIによる金融市場(=複雑系)全体の可視化.1995年からの約10年間.横軸は時間[日],縦軸は銘柄番号.色の濃淡が RCIの数値を示す. 上図と下図においてRCIのパラメータが異なる.図中のグラフはTOPIX(市場平均)の時系列変動.


RCIは「時間軸座標と価格変動の相関係数」ですので,これを「TOPIXと個別株の相関係数」に置き換えれば CAPMの「ベータ値(β)」も可視化できます.そして回帰式の残差を平均化することで「アルファ値(α)」も可視化できます. これらを視ると,βとαは理論どおり一定値ではなく,動的に変化していることが一目瞭然になります.


このように,金融市場全体の様子を1枚の図で表現できますので,
・全体の動的変化を把握できる.
・個別銘柄の連動性や非連動性を把握できる.
・誌面に限りのある論文等において,使用した全データをビジュアルで紹介できる.
・ネクタイやTシャツ等のデザインとして使えそう.
などのメリットがあります.


RCI(50日)による動画 (左下の赤棒はTOPIXです)

RCI(100日)による動画

RCIは「時間座標軸と株価の相関係数」なので,「+1に近づくほど上昇トレンド,-1に近づくほど下降トレンド」を意味します.
RCIによって市場全体を可視化すると,まるで生き物のように見えませんか?



その他の研究事例

1.
決定論的予測モデルによる時空間テクニカル分析 
2. 非線形力学系理論に基づいた金融工学 
3. 複雑系の可視化アートによる理解